ジャンティーク3rdが入店しているビルの3階は映画館になっている。
このビルが建ってしばらくは映画も活況で、たいそう賑わっていたようだが、
地方の映画館はどこも同じであろう、ここもご多分に漏れず今は閑散とした状態である。
失礼な言い方になってしまうが、見た目地方映画館独特の“郷愁”が漂っている。
何と言っても、ビルの表面に高々と掲げてある看板が秀逸だ.
世界のクロサワ「七人の侍」、「ハリーポッター アズカバンの囚人」
そして、「ローマの休日」オードリーヘプバーンの美しいアップの3枚が並んでいる。
もちろん現在どれも上映はしていないし、ここの映画館でいつ上映されていたかも知らないが
ずーっと並んでいる。
最近我が店から外を眺めていて、ある事に気付いた。
この町はいろんな好条件がそろっていて、有り難い事に観光客が比較的多い。
みなさん旅に訪れたこの町をそぞろ歩きされるのだが、
結構な数の観光客らしき方々がこの看板達を撮っている。
もちろん、撮った画像を見せてもらった訳じゃないが
おそらくそのカメラ、スマホの向きは看板に向かっているように見える。
その中には外国人の姿も珍しくない。
地方都市に見られる、少しノスタルジック、少し滑稽、少し珍百景的なものだろうか。
何しろ興味深く映る景色なのだろう。
対面式の客商売を営んでいる私としてもとても勉強になる事だった。
「この看板、俺も前々から面白いと思ってたんだよね」なんて直接的な事ではない。
客をもてなす側がまずすべき事は、その人達の目線に注意する事だ、と。
どこを見てるのか、何を欲してるのか。
この看板の風景が人の興味をそそるなら、それをどうにか料理していかないといけない。
その目線の先と全く見当違いな場所でワーワーと騒いでいても何の効果もなく、
その行為はただの無駄骨になる。
“これだけ費用と時間をかけてもてなす準備をしたんだから人はきっと喜ぶだろう”だけではだめだ。
この反省点は当然私もあてはまるが、
どうやら周りにもあてはまる人達が沢山いそうだよ。。。
気をつけようね。