specialty coffee(スペシャルティコーヒー)という単語も、
大手コーヒーチェーン店などでも取り扱うようになって、僅かずつではあるが着実に世間に広まりつつあるようだ。
とは言え、まだ市民権を得ている実感は正直ない。
スペシャルティコーヒーと言ってもその定義を一言で簡単には伝えにくく、
それが浸透を妨げる要因になってるかもしれない。
ちなみに、日本スペシャルティコーヒー協会による定義はコチラ。
http://www.scaj.org/about/specialty-coffee
スーパーに陳列された野菜も、その良し悪しを産地やその年の気候状態で判断することは今では常識で、
さらには野菜の傍らにはニッコリ微笑む生産農家の写真や使った肥料まで表示してある。
あまり考えないポイントだが、コーヒーもりっぱな農産物。
だから、陳列野菜と一緒で、
どんな品種をどんな人達がどこで育ててるか、
その年の気候はどうだったのか、
飲む人の事を考えて作っているか、なんて点も真剣に考えている。
おいしいコーヒーに仕上げる作業の原点=“生産”だ。
素材がとても大事なのだ。
そして、適切な運搬方法で運ばれ、適切に保管される。
ようやく焙煎人の手元に届いた豆たちは、
熟練した職人の技でその豆の特性を最も引き出すように丁寧に煎られていく。
言ってみれば“仕込み”の段階。
ここもかなり重要な作業で、
煎り加減の絶妙なタイミングで、場合によってはせっかくの豆の素材を台無しにしてしまう可能性もある。
コレ、ポイント。
はい、メモ。
そうやって、カフェ店頭に並んだコーヒー豆たちを
我々カフェスタッフたちが“料理”、そして“サービス”をしていく。
「どんな抽出がこの豆に合うんだろう?」
「どんな出し方がお客様に喜ばれるんだろう?」
「このお客様の今の状況に合うコーヒーはどれだろう?」
本気で考えながらカップに注いでいく。
下らない世間話をしてるばっかりに見えて
実はいつも本気で考えている。
この一連の全ての工程がペシャルティコーヒーの基本理念。
基準を設けられる段階では、“審査”という形で、
また「specialty coffee」という世界標準のブランドを使うことで
“高いプロ意識”を持たせることで、クオリティを保ち続ける。
そうやって提供されたカップに口をつけ、
「あ、オイシイ・・・」
と言ってもらえるようなコーヒーをスペシャルティコーヒーと呼ぶ。
分かってもらえたかな。
やっぱり一言で言えないな。。。長くなった。
スンマセン。