風の領域
2011.06.27 Monday
台風5号の影響か、しばらく風が強い日が続いた。
モーニングサービスを始めてからの習慣になっている、
サード店のオープンスペースでの開店前のエスプレッソ。
優雅な気分に浸っていると
目の前にあるお寺さんの、大きなイチョウの木が風にユラユラうごめいている。
“風、強ぇな”
朝早い時間なので、人通りも車の往来もほとんどなく
風の音だけが聞こえる−−−ように感じた。
ザワザワ・・・
風の音?いや、風が引き起こす、イチョウの木の音だ。
ふと、子供の頃のことを思い出した。
山間で育った私は、遊び場といえば山の中が多かった。
奥深く入ると、人間社会がつくる人工的な音が遠ざかり、
鳥のさえずりや虫の声、得体の知れない遠吠えや自分の足音、
そして、風が引き起こす木々の音が耳に入ってくる。
あの時体を包んでいた、妙な緊張感が一瞬にして蘇ってきた。
“僕らが来ちゃいけない場所”の感覚。
木々のざわめきが、
彼らの生命力を誇示してるように思えて
漠然とした、“逆らっちゃいけない”畏怖感を覚えていた。
その後、成長と共に山で遊ぶこともなくなり、
田舎を出て、街で生活するようになると
次第に、“立ち入っちゃいけない”という感覚も忘れていた。
いつの間にか奢っていたな。
自分らの欲にまかせて入り込んじゃいけない領域は、ある。
風がその領域を教えてくれてたのか。
そういう教えは素直に聞いておいたほうが良い。
どうせ太刀打ちできないんだから。
日々のイチョウの木の声を聞こう。
モーニングサービスを始めてからの習慣になっている、
サード店のオープンスペースでの開店前のエスプレッソ。
優雅な気分に浸っていると
目の前にあるお寺さんの、大きなイチョウの木が風にユラユラうごめいている。
“風、強ぇな”
朝早い時間なので、人通りも車の往来もほとんどなく
風の音だけが聞こえる−−−ように感じた。
ザワザワ・・・
風の音?いや、風が引き起こす、イチョウの木の音だ。
ふと、子供の頃のことを思い出した。
山間で育った私は、遊び場といえば山の中が多かった。
奥深く入ると、人間社会がつくる人工的な音が遠ざかり、
鳥のさえずりや虫の声、得体の知れない遠吠えや自分の足音、
そして、風が引き起こす木々の音が耳に入ってくる。
あの時体を包んでいた、妙な緊張感が一瞬にして蘇ってきた。
“僕らが来ちゃいけない場所”の感覚。
木々のざわめきが、
彼らの生命力を誇示してるように思えて
漠然とした、“逆らっちゃいけない”畏怖感を覚えていた。
その後、成長と共に山で遊ぶこともなくなり、
田舎を出て、街で生活するようになると
次第に、“立ち入っちゃいけない”という感覚も忘れていた。
いつの間にか奢っていたな。
自分らの欲にまかせて入り込んじゃいけない領域は、ある。
風がその領域を教えてくれてたのか。
そういう教えは素直に聞いておいたほうが良い。
どうせ太刀打ちできないんだから。
日々のイチョウの木の声を聞こう。