最近は、お客様からの問いかけなどに対して
あまり返答に困ることはないのだが、
先日久しぶりにヘビーでストレートな
質問があった。
約1年半ぶりに来店された初老の男性。
体を悪くされたのだろうか、少し痩せられたようだ。
「君、いろいろがんばっとるようだね。いつも見とるよ」
「ありがとうございます」
「しかし、
君、自分のやっとることがどれだけ人に影響を与えてるのか
きちんと認識してやっとるか?」
一瞬返事までに間を空けてしまった。
−マズイ−
商売柄、お客様とのやり取りについては
どういう状況でもある程度“準備”しておくべきだと
考えている。
今回は、私にとって不意打ちに近い質問だった。
影響か・・・
あらためて考えると
私に限らず、全ての人は、
生活していくことだけで何らかの影響を人に与えている。
そこで楽しそうにしているグループがあれば
それを見た人は、平和を感じたり、やっかみを覚えたり。
そこで喧嘩をしている者らがいれば
周りは嫌な気分になったり、アドレナリンが出たり。
自分の行為、例えそれが不作為な行為であっても
少なからず、誰かに影響を与えている。
私のしていることがどれほどの人に影響を与えているかは
全くわからない。
多いのか少ないのかさえも、
基準がないだけに計り知ることはできない。
もっと若かった頃はそれで許されたのだろう。
「そんなのわかんないし、どうでもいい」
しかし、その初老のお客様の一言で
今はそんな事は言えない年齢、立場なのかなと思い知らされた。
そして、こう応えることにした。
「それほどりっぱな事をしているわけではないですし、
どれだけ影響を与えているかは、正直言ってわかりません。
ただ、“こういう風に感じて欲しい”という理想は持っております」
さて、相手の反応は・・・?