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 Mentira -嘘-
2015.02.19 Thursday
“一度ついた嘘は墓場まで持っていけ”という言葉がある。
墓場まで持っていっちゃうんだから、
その人が嘘をついていたかどうか分からない事も多いだろう。
だが、
故人の身辺整理をしていくうちに次々と暴かれてしまう嘘もある。


もう数年前に亡くなられた常連のじいちゃんがまさにそんな人だった。
青天の霹靂というか、あまりに衝撃的な事実だったので、
頭の中で整理がつかず、中々この日記にも書き出せなかった。

人相は悪いが笑顔の屈託のなさと独特の語り口で、
そのじいちゃんを悪くいう人は少なかった。
会話の内容もその時、その人に合わせた話題で興味深いものだった。

戦前に生まれたじいちゃんはまさに波瀾万丈な人生を送っていたそうだ。
戦中、戦後の混迷期を怒濤の如くくぐり抜け
経済成長期を満喫し、家族が増え幸せなときを過ごし、時には確執も生まれ、
また、歴史に残る災害にも見舞われ、
そして日本経済の凋落と被災による影響で最期まで苦しんだ。
そんな中でも気の合う仲間と酒にカラオケにと楽しんだ。

はずだった。

日々の生活に起こるハプニングや悩みもたくさんあった。

はずだった。

が、そのほとんどが嘘だった。
いや、正しくなかった。
じいちゃんの話のほとんどは実話と虚像が入り乱れ(どちらかと言うと虚像が多く)、
それでいて見事なまでに一貫性、継続性のある内容だった。
生まれた場所も育った場所も、
青春時代の思い出も幸せな結婚生活も、家族の話題も
そして、日々の他愛ない出来事までも正しくなかった。
それはおろか名前までもが偽名だった。

病に冒され入院を余儀なくされて、近くに住むご親戚の方々が世話を始められてから
私はようやく少しずつ事実を知っていく事になるのだが、
ご親戚の方々もよもや、そのじいちゃんが自分の知り合い達に事実とは異なる言動をしていたとは
考えてもなかったようで、ただただ驚いていたようだった。

しかし、
ご親戚の方々も私も、それについては咎める事はしなかった。
じいちゃんはその嘘で、少なくともジャンティークで知り合った人達を陥れたり、悲しませたりしてなかったから。
私も見事に欺かれていた訳だけど、それによって特に不利益を被った事もなかったから。

でも、だから余計に「なぜ?」という疑問が離れなかった。
じいちゃんになんのメリットがあったんだろう?
そうしなきゃいけない理由があったんだろうか?
でも、ご親戚の方々の話を聞いていてもそんな理由も見つからない。
そんな状態だから、却って衝撃的な出来事になった。

じいちゃんは意識のある最期まで事実でない事を
真実であるように話し続けていたそうだ。

嘘をついてると、当の本人もそれが本当であるような気になるというが、
じいちゃんの場合は、嘘だとわかっててそれを貫き通していたような気がしてならない。
彼は多分確信犯だ。
理由は分からないけど、嘘をつき続ける人生を選んだんだ。

じいちゃんを知る人、彼の仲間もずいぶん少なくなってきたけど
彼らにはこの事は全く伝えていない。
今のところ、その事実を伝える意味が見つけ出せないから。
そして、きっとこのまま、彼らの墓場にはこの事実を持たせないんだろうな。

恐るべしじいちゃんだったな。
 
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Posted by : JAY
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